Satoru Hiura はてな

漫画家ひうらさとるの主に映画や本、漫画の感想ブログです

映画あれこれ

最近みた映画

人のセックスを笑うな
原作も結構ゆるくてそこがおもしろかったけど原作以上にゆるゆるな空気感の映画でした。
ちょっとすべてがダダ漏れすぎないか?と思うところもあったのですが。(役者さんたちが良すぎて監督さんがにやにやしながらそのままカメラをとめられなかったのか?てシーンなど(特に恋に狂う松ケンのかわゆらしすぎさとか…)いつも簡潔に!わかりやすく!オチは確実に!を心がけすぎなザ商業作家のワタクシには「うーむ〜これもありか〜」などといろいろ勉強になった作品でした。

「ガチ☆ボーイ」
実はあんまり期待せずふらっと「マスターか〜チャットモンチーか〜」と観にいった一本なんですけど、もう後半から号泣しっぱなし!佐藤隆太くんはあの太陽のような笑顔がまたはかなげでいいですね。いい役者さんです。あと泉谷しげるはずるいだろう、あの役…。

バンテージ・ポイント
これもふらりと観にいったんですけど90分の上映時間分楽しめました。ものすごーく作りこんだダイハードって感じかな。あとちょっとメメント?って構成がおもしろいんだけど「え?また?もうそのシーンよくない?」って思わせるあたりで急速に畳み掛けるそのさじ加減が絶妙!
ただちょっとなあ、アメリカ製作のテロがからむ映画ってやたら大統領が薄っぺらいかっこよさで描かれるような気がするんだけど、あれはわざとなのかな?

「接吻」
そして真打!今年見た映画で色んな意味で一番印象的!これから観る方はぜひ先入観なしで観ていただきたい。

以下ものすごくネタばれ!


サイトやチラシなどでやたら衝撃のラストってあおっていますけど、なにが起こるかはあんまり期待しないで(いや衝撃は衝撃なんだけど)観るとより良いかもしれません。小池栄子さんほんとに素晴らしかったですよ。この人はなんだか顔に飢餓感というか渇望感がある気がしてTVなどでみる明るいサバサバキャラに違和感があるなーと思っていたのですが役者としてはすごくいい顔ですよね。今回は特に役がおりてるって感じでした。
パンフレットの監督と脚本家(監督の奥様)の方の対談を読んでこの映画の異常な迫力と緊迫感は監督、脚本、役者、いろんな人の解釈のズレがうまく作用したんだなあと思いました。まさにケミストリーというか。総指揮の監督が作りこんださらに斜め上を誰の意志でもなくいってしまったんじゃないでしょうか。
ただな〜〜トヨエツはこういうサイコな役がはまりすぎててちょっと普通に思えてしまった。(正直後半の仲村トオルの役の方がよっぽどコワいです!あのTVからのカメラ目線…コワいよー!)あと昔も思ったんだけど、この人はラブシーンが上手すぎるんだよ!(いや特にこの映画に明確なラブシーンはないんだけど)あまりにラブな雰囲気を出すのが上手くて意味合いが違って見えますよ!この役の人があんなスマートなわけないだろー!ガラス越しに見つめあったり、手を合わせあったりするシーンはもちろんまんまとうっとりしましたけど!

ものすごーくおもしろーい!とかコワい!深い…とか一言で言える映画じゃないので万人にお勧めはできませんが、久々に映画らしい驚きを感じた作品でした。