Satoru Hiura はてな

漫画家ひうらさとるの主に映画や本、漫画の感想ブログです

聲の形

いやあ…これはねえ、原作の小学生編を読んでたのであのいじめをアニメとはいえ映像で観るのは辛いなあ…。と思っていたんですが、いやあ傑作でした。
やや説明不足なところもあるんですが、美しく繊細な映像で十分に語っていてまた“聴覚障害”というモチーフに沿った音と音楽の表現が素晴らしいです。
あとキャラクターが主人公始めだれも完璧な人物がいなくて(あとマイナス部分がとても日本人的!)その暴かれ方、乗り越え方、そして気がつかないことがすごくリアル。
リア充に戻ったようにみんなで遊んでいても「…取り返しつく気がしない」という主人公の声とか。
硝子の聴覚障害は重要なモチーフでもあるんだけど、一つの個性でありコンプレックスでありコミュニケーションでもあるんですよね。
いじめられる心情はよく描かれるテーマだけど、いじめる側(主人公の石田以外にもいろんな方向からのいじめが描かれる)の心情とずるさ、後悔と罪の償い方そして赦されることをこれほど丁寧に描いた映画もなかなかないと思います。
『映画 聲の形』が超絶大傑作であり、すべての人に観てほしい5つの理由(ネタバレなし感想)

映画『聲の形』感想 - 沼の見える街