Satoru Hiura はてな

漫画家ひうらさとるの主に映画や本、漫画の感想ブログです

ホタルノヒカリSP完結によせて

ホタルノヒカリSP、全6巻で無事完結致しました。ありがとうございます!

1巻のあとがきでも描いたようにホタル本編が終わってから数年、いくつか広告や別の雑誌のお仕事で蛍や部長を描かせてもらう機会があり「ん?この二人はまだ生きている??」(いや死んでませんが)と思ったのと、Kiss編集部から「続編を」というオファーがあって産まれた作品です。
本編ホタルノヒカリが始まったのは2003年。その時点で恋を忘れた干物女というのは世間(主に男性)にとってはセンセーショナル、女子は「わたしのこと!!」という存在でしたが、おかげさまで数度のメディア化もあり認知的にまったく普通のことになったように思います。(いや、元々あったものに名前が付いただけなんですけどね)
2014年、続編をどういう展開にしようかとホタル本編を読み返してみるとむしろ蛍、リア充じゃね?と思うほど、この10年で世の中は様変わりしたなあと思いました。
蛍と部長の話はもう完結しているし、私は二人の初期のような漫才コンビぶりが好きだったので、ドラマは別の主人公にたくそうと思いました。この時代にピンとくる、私が描きたい、ホタルの世界観に合った主人公ってどんな子だろう?と考えて産まれたのがヒカリという女の子です。

アイドルオタクだけではなく(アイドルも色々細分化してますしね)様々な分野のオタクの皆さんに「わかる!!!」と嬉しい感想を頂きましたが、「…え、私が思ったホタルじゃない…。」と思った方もおられると思います

この空前の過去作品リバイバルブーム、たぶん色んな作家さんがどういうスタンスで行くか色々工夫されていると思いますが、私の場合は”コンサートのダブルアンコールで馴染みの曲をやるみたいな感じ”が一番いいのかなと思って描いています。サビのコールアンドレスポンスの「きた!コレコレ!」みたいな一体感は外さず、アーチストがやりたい今の新鮮なアレンジも加えていくみたいな。懐メロとか仲間内のカラオケみたいになっちゃうとやっぱちょっとつまんないですよね。
その辺のバランス感覚も忘れず「ホタルノヒカリBABY」(Kiss12月号10/13発売よりスタート)も楽しい作品にしたいなと思っております!とりあえずSP以上に馬鹿馬鹿しいです!W

以下は私の個人的なアイドルオタ話ですので、たたみますねー。

そういう話にご興味のある方のみお読み下さいw



ホタルSPを描いてからサイン会などでも「え…ひうらさんなんで私たちの世界に…」と言われましたが、ええ…ほんと蛍まんまですが、遅い麻疹にかかりました…。
30代までも、もちろん「SMAPおしゃれだなー」とか「木更津のぶっさんいいよなー」とか思ってはいましたが所詮一般人の感覚でアイドルのみなさんを遠巻きに見ていました。
それが…ひょんなことから2006年、デビューしたての飛ぶ鳥落として端から焼き鳥にするみたいなKAT-TUNさんのコンサートに初めてお伺いして坂道を転げるように堕ちていったのです…。その当時、サブカル系だったはずの友達たちが同時に堕ちていったのも大きいと思われます…(赤信号みんなで渡れば怖くない的な…)。
もちろんコンサート行けるとこは行けるだけ行く、その後はお仲間と毎回飲み会、留学する人がいれば会議、視聴率が悪ければ会議、髪型がどうなのかで会議…もちろん友達がハマっているグループにも行っては自担とは違う自由さに癒されまた飲み会…。そんな超遅れてきた青春のような日々でした。
それがね、ものすごく楽しかったんですよね。
ちょうど40代になったこともあってアラサーのちゃんとしなきゃ、結婚しなきゃみたいなプレッシャーからも開放され、なんかどうでもいいや、好きに生きようと思えた時期にものすごいハマれるものが見つかった!みたいな感じでした。
そしてアイドルオタの友達が本当に面白くて優秀で!何度か描いているけど、身近な友達はもちろん、ブログだけでしか知らない人や、表舞台に出てる人たちもみんなそうなんですよね!頭が良くて仕事が超早いのも大好きなところです。

で、実はそんなこんなしてるうちにどさくさに紛れ結婚したり超高齢出産したりしている期間ちょっとアイドルオタ界から離れてしまったんですけど(ここも描きましたけどね!漫画に!)、ちょっと俯瞰で見れるようになって、ようやっと「あ、これだ。今書くべきキャラクターは」と思えたんですよね。

長くなりましたが、ここがヒカリ誕生の瞬間です。
色々まんまなエピソードはありますが、唯一コスプレするようなアイドルオタ(しかも自担にそっくり!)って人は殆ど会ったことがないのでファンタジーです。
その辺の「…ねえよ!ww」ってハネ具合が初期のなかよし作品みたいで描いてて楽しかったですねえ。

で、肝心の「B-LEY」のモデルなんですが。
あれ?なんか「知ってるよ!!!」って総ツッコミが聞こえますけど…。まあ私のこだわり聞いて下さいw
まずね、名前はBlu-rayからです。じゃあ「B-ray」じゃん!て話なんすけど、LEの直線のフォントのが”らしい”かなと…。なんで先輩グループはその一個前のメディア、DVDで「D-D」です。

で、メンバーですが。(ココからは同G担の人だけに…)
四温と昌七はUの人、Tの人なんですが、だいぶアレンジしてます。ちょっと時代に合わせて髪型をKPOPよりにしたり。女の子っぽい時代のイメージです。昌七はメガネキャラだし2.5次元風ですかね。ん?ご本人の要素ほとんど入ってないかもしれない…。すみません…。
もちろん!ご本人さまたちのそのままのキャラクターは大好きなのですが、漫画の中のグループのバランスとしてこうなりました。
三太はわたし的にはずっと彼はこういうイメージなんですよね。特急田中の頃のビジュアルが一番近いのかな。
長十郎は…いつもオチにつかってすみません…。わたしはNの人の超塩ドSなところも大好きなんですけど、おもしろいところだけを抽出したらこうなりましたみたいな…。
ニーヤとハチはモデルの方の要素もふんだんに入ってますが、昔ながらのわたしの漫画の男の子キャラにも近いので馴染みやすかったですね。
ハチはAの人の特にアホで無邪気なJr時代のイメージで描いています。少クラとかで大笑いしてたみたいなね

ニーヤはずばり「ごくせん」一回目の「あんた誰?」ってセリフを言ってた人をTVで観た視聴者が「ちょ!!!!この子こそ誰?!」って調べたときなるほど!こんなアイドルか!って具体像をイメージしました。(だから彼の人のあざといほどの可愛い感じはあまり入ってないのです)わかりますか?!この感じ?W

以上私のどうでもいいこだわりでした。失礼致しました…。

はーほんとに楽しく描けた作品でした!応援ありがとうございます!